マネーにまつわるエトセトラ

ビットコインはいくらまで上がるのか

暴騰中のビットコインはまだ上がる?それとも下がる?

普段はもっぱらFXネタばかりだが、今回は珍しく仮想通貨についても少し書いてみようかと思う。

最近何かと話題の仮想通貨だが、仮想通貨といえばなんといってもビットコインだ。

ビットコインが出始めた頃は誰もがその価値を疑ったことだろう。

だが時が過ぎビットコインの価格は驚くほどに高騰してみせた。1BTCの価値が1円にも満たなかったビットコインが今や50万円という値が付いている。

恐らく今ビットコインに興味があるという人は、今買うか、あるいは買ったけどいつ売ろうかなど様々な悩みをお持ちだと思う。

だがその中でも一番の関心事は「ビットコインが一体いくらまで上がるのか」ではないだろうか。

これまですさまじい勢いで高騰し続けてきたビットコインだが、投資家の間では「まだ上がる!」「いやもう下がる!」と、意見は真っ二つに割れている。

一体ビットコインはいくらまで上がり続けるのか…。今回はこれについて考えていきたいと思う。

そもそもビットコインとは

あくまで投機が目的なのであれば仮想通貨の仕組みやビットコインの仕組みなど知らなくてよいかもしれない。

だが今後上がるか、下がるかといった動向を予測するためには多少なりとも知識を入れておいたほうがいいだろう。

まず仮想通貨といえばよくオンラインゲームでやりとりされる仮想通貨とも混同されがちだが、ビットコインはこれとは少し違う。

というのは、オンラインゲームなどで使用される仮想通貨はあくまでゲームの世界でのみ使用されることを前提としている。だがビットコインなどをはじめとする現在話題の仮想通貨は、「実世界で流通させること」が前提。つまり現在の通貨に取って代わる新しいマネーの形を追求したのがビットコインだというわけだ。

ビットコインの特徴

ビットコインは現代のIT技術とテクノロジーが生かされた全く新しい形の通貨だ。その特徴をいくつか挙げてみよう。

  1. 海外送金速度が速い
  2. 手数料が安い(元々は無料を謳っていた)
  3. 暗号通信を利用、匿名での集金も可能

仮想通貨は暗号通貨などとも呼ばれ、硬貨や紙幣のような実体を持たない。そのためウォレットと呼ばれるアプリをPCやスマホにインストールすることで使用できるようになるのだ。

どのようにしてビットコインが広がったか

ではなぜビットコインはこれほどまでに広がりをみせたのか。当時は日本円にして1BTCが1円の価値も持たなかったビットコイン。ここまで高騰したのには理由があった。代表的なものがこちら。

  1. 海外送金の速度や手数料の煩雑さに不満があった人からの支持を得た
  2. 政情不安などで自国の通貨を信頼しない人たちが投資するようになった
  3. 匿名での集金が可能なことからアングラマネーとして流通するようになった

これらの理由からビットコイン人気が高まり、今では投機熱の高い日本や韓国などでは躍起になってビットコインを買い漁っていると、こういうわけだ。

一体いくらまで上がる?

前置きが長くなったが話を本題に戻そう。

ビットコインは今後いくらまで上がるのか、それとも下がるのか。これは完全に意見が割れしまっている。上がる・下がる双方の主張を見ていきたい。

上がるという主張

ビットコインはまだまだあがるはずだから今ならまだ買える。そう信じている人は多い。まずは上がるという主張からみていこう。

2020年東京オリンピックによる特需

ビットコインはまだ上がると主張する側の根拠となっている一つが2020年に開催される東京オリンピックだ。
東京オリンピックがやってくれば当然海外からたくさんの観光客が来日する。今でも大手家電量販店などでは既にビットコイン決済を導入しており、ビットコインで決済できるお店は着実に増え続けている。

当然それだけの需要が見込めるのであれば、必然と店舗側もビットコインの決済の導入を進めていくだろうということだ。そうなれば当然需要に伴ってビットコインの価格も上昇するだろうというわけだ。

2030年まで1BTC50万ドルまで上がると豪語する人物も・・・。

なんと1BTCの価格が50万ドルまで上がると豪語する人物もいる。その人物こそがSnapchat初の投資家と知られるジェレミー・リーとブロックチェーンのCEOであるピーター・スミスだ。

下がるという主張

下がるという主張の多くはSegwit2xのハードフォークの影響を懸念する人たちだ。
ビットコインが暴落するとも叫ばれるSegwit2xとは一体何なのか。

Segwit2xとは?

SegwitというのはカンタンにいうとBTCで使える容量を拡張すること。ビットコインのブロックサイズをこれまでの1Mから2Mに増設するというわけだ。容量が2倍になるのだから当然処理速度は改善する。

と、ここまではいい。問題はここからだ。

結局このハードフォークが行われるとビットコインとビットコインsegwit2xとに分裂してしまう可能性が濃厚とみられている。

分裂による影響は

実はビットコインが流通する上で重要な役割を担っているのがマイナーと呼ばれる人たちだ。マイナー(採掘者)は、仮想通貨の送金が行われるとき、承認処理を行う。

もちろんこのマイナーたちはボランティアで行っているのではなく、この処理を行うことによってビットコインが貰えるのだ。

分裂により大きな影響をもたらすのはマイナーがどちらを支持するかだ。もしビットコインが分裂すれば、より可能性を感じるビットコインを支持することになる。

そのためビットコインの暴落が恐れられているというわけだ。

まだまだ上がるかもしれないが、Segwit2xまでは見送った方がいい

私見を述べると、まだまだ上がる可能性は十分にあると思う。

が、やはりSegwit2xで一時的に下がる可能性はあるとみていいだろう。

もし買うのであればSegwit2xのハードフォークがどのような帰結を迎えるか、これを見送った後がよいのではないだろうか。

では今回は元大蔵省官僚である榊原英資(さかきばら・えいすけ)の格言で締めたいと思う。

市場では他の市場参加者の好みを理解して、大きな流れ、トレンドに外れないようにしなければならないのです。しかし、好みは主観的でしかも流行があります。トレンドをいつもうまく当てるのは、決してそんなに簡単なことではありません。

-榊原英資-

マネーの虎の成功と失敗その後-社長たちの現在まとめ –

一世を風靡したマネーの虎のその後

少し古いネタにはなるが今回は「マネーの虎」というテレビ番組について書きたいと思う。

「マネーの虎」といえば2004年に終了。その後十数年が経過するが、その臨場感に熱狂した記憶が未だに鮮明だという人は少なくないはず。

司会は二枚目俳優として知られる吉田栄作。出演者には豚骨ラーメンでムーブメントを巻き起こしたなんでかんでん川原ひろし社長。数々の飲食FCパッケージを世に送り出した小林敬社長。リサイクルショップ倉庫生活館を全国的に展開し、ホームレスからその後年商120億まで上り詰めた堀之内九一郎社長等々…。

まさに「マネーの虎」と呼ぶに相応しい剛腕経営者ぞろいだ。

「マネーの虎」ではそんな億単位の年商をあげる「虎」たち自らが審査員となり、起業を目指す応募者たちの事業計画やプレゼンを評価する。応募者たちは見事虎からの承認を勝ち取れば虎たちがのポケットマネーで出資が受けられるというわけだ。

出演者はビジネスだけでなく番組でその虎っぷりを発揮していた。出演者の事業計画が少しでも気に食わなければ完膚なきまでにこき下ろす。だがその後マネー成立となれば虎たちは応募者にありったけの拍手喝さいを送った。

視聴者はそこで繰り広げられる数々のドラマに釘付けとなった。近年そんな過去の人気番組「マネーの虎」が再び脚光を始めている。

当時否定された応募者たちから成功者が…。

なぜ最近になってこの「マネーの虎」がまた注目を集めているのか。実は当時辛辣な言葉を浴びせられた応募者の中に成功者が出ているのだ。

チャンコ増田の抱き枕

チャンコ増田はアイドルやアニメキャラの抱き枕を作りたいとして融資を希望した。が、「オタクなどと付き合いたくない」「気持ち悪い」など、虎たちから放たれる言葉はどれも人格否定に近いものであった。その後チャンコ増田のアイデア商品は売れに売れ、大ヒット商品となった。オタクのマーケットは当時より確たるものとして形成されている。

利益よりもお客様満足重視のパスタ屋

利益よりもお客様の満足度にこだわったパスタ屋さんをしたいと夢見る応募者。虎たちからは「もっと原価を下げないと利益があがらない」と散々に否定された。その後美空ひばりの孫である加藤社長からの融資を受けお店をオープン。現在も「ラ・パットーラ茅ヶ崎」という店名で順調に営業を続けている。

ピコ太郎として大ヒット古坂大魔王

PPAPで空前の大ヒットを飛ばしているピコ太郎(古坂大魔王)。2017年11月のトランプ大統領が来日した際には日米両首脳の夕食会にも招かれた。そんな彼も実はマネーの虎に出演し、ロンドンで世界デビューするための資金として融資を希望していた。まさかその後自力で世界デビューするとは虎たちも夢にも思わなかったことであろう。

当時のお茶の間での視点

もしかするとマネーの虎の視聴者の中に、虎たちと同じ視点で「事業プランがなっていない。」「考えが甘い。」と応募者たちをみていた人もいるかもしれない。
ただ現在このように成功している彼らをみていると先見の明がなかったといわざるを得ないだろう。かくいう私も少なからずそういった見方をしていたかと思う。

続いては当時マネーの虎に出演していた社長たちのその後にも注目したい。

社長たちのその後-失敗と転落-

あれほど威勢のよかった虎たちだが、そのほとんどが事業に失敗し転落人生を送っているという…。

なんでんかんでん 川原ひろし社長

ラーメンブームの火付け役となったなんでんかんでんも、急激に拡大したことが仇となり次々と閉店。出店スピードに対しマネジメントが追い付かなくなったということか。幸い倒産は免れたため、現在では借金に追われながらも再起を図っている。

リサイクルチェーン大手「生活倉庫」 堀之内久一社長

堀之内社長が立ち上げたリサイクルチェーン店「生活倉庫」。一時は年商120億とまで謳われていました。しかしその後ネットオークションの台頭により業績が悪化。その後15億の借金を背負うまでになっています。

オートトレーティングルフトジャパン(株) 南原竜樹社長

英国MGローバー日本として、輸入販売を行っていたが、本家が経営破綻したことを受け、大量の在庫を抱えることとなってしまう。一時は負債総額が50億円にも上ったという。現在は新規事業でどうにか借金をチャラにし、(株)LUFTホールディングスの代表として復活を遂げた。

㈱小林事務所 小林敬社長

元料理人から起業し、飲食FC展開で成功した小林社長であったが、兼ねてからの夢であった食のテーマパークをオープンさせたことで失敗。無理な投資によりキャッシュフローが追い付かず僅か8カ月で破綻してしまう。

社長たちはなぜ失敗したのか

当時マネーの虎の顔といえる出演者であった虎たちはことごとく事業に失敗し、借金を背負ったり事業破綻に追い込まれたりしている。その一方で当時虎たちから事業プランを強い言葉で否定され続けた応募者たちが成功をしている。一体何が彼らの明暗を分けたのか。

たしかに虎たちは屈強な精神で市場を開拓した先駆者であったかもしれない。だが目まぐるしく変わる市場原理が彼らを飲み込んでいってしまった。結局成功にあぐらをかいてしまってはいつか痛い目をみるということだろう。

それでは今回は、元ゴールドマンサックス役員、ホワイトハウス国家経済会事務局長および財務長官を務めたロバート・ルービンの格言で締めたいと思う。

世間において常識とみなされていることに対して、疑問を呈する勇気を忘れてはならない。健全な猜疑心こそ、ものごとの裏に潜む本質を見極める近道である。

-ロバート・ルービン-

ベーシックインカムを日本でも導入できるか~財源や金額試算~

いつか日本でもベーシックインカムが導入されるのか

働かなくても生活最低限のお金が貰える・・・。あなたはもしこのようにいわれたらどうように思われるだろうか。

ベーシックインカムといえば近年日本でも注目され始めている社会保障制度の一つ。
誰でも一律で決められた一定額のお金を無条件に国から受け取れるという夢のような制度だ。

実際果たして日本においてそのような政策に実現性があるのか。

また導入するとして日本政府がどのようにして財源を捻出するというのか。また導入のメリットやデメリットはどうなのかなど様々な疑問が浮かんでくるだろう。

そこで今回のブログ記事では、マネー知識の一環として日本のベーシックインカム導入についてじっくり考えようと思う。

ベーシックインカムとは?日本語にすると?

繰り返しになるが、ベーシックインカムとは国民に対して一定額を無条件に支給するという制度だ。

Basic Income(ベーシックインカム)これを日本語に直訳すると、基本的(ベーシック)な所得(インカム)となる。
「基本的な所得」とはどういうことか。いくら何でも日本語に直訳しただけでは全く意味がわからない。

これは次のように読み替えると理解が早い。

「基本的な所得=必要最低限の所得」

つまり社会保障の仕組みとして、生活に必要最低限とされる金額のお金は日本政府から支給しようというわけだ。

日本のような先進国であっても貧困による餓死が社会問題化する昨今、こういった社会保障制度は弱者を救済する一つの手段となり得る。

だが私たちは「働かざるもの食うべからず」といわれ育った身・・・。働かずともお金が貰える、そんな社会保障制度に現実味を感じにくいのも無理のない話だ。

海外での導入実態

日本でベーシックインカムを導入したらといわれても、近隣諸国で導入している国がないとあまりピンとこないかもしれない。

ここでベーシックインカムを実験的に導入したり、あるいは導入の検討段階までいったりしたことのある国の名を挙げてみよう。

  • フィンランド
  • ブラジル
  • スイス
  • カナダ
  • オランダ
  • アラスカ

いかがだろうか。「思ったより多い」という方もいれば、「まだまだ少ない」という方もおられるだろう。
中でも注目すべきはフインランドとブラジルだ。

2017年よりフィンランドはベーシックインカムの導入実験を進めている。ヨーロッパとしては初の取り組みだ。まだ実験的導入となっているため対象は2000人の被験者(失業者)に限られるが、今後拡大していく可能性は十分ある。
実験は2018年末まで。日本円にしておよそ月7万円程度が支給されることとなっている。

またあまり知られていないが、ブラジルではベーシックインカムが法制化されている。
ただしブラジルでは財源問題があるため、現段階では給付制限のある児童手当となっている。残念ながらまだまだベーシックインカムと呼ぶに相応しい仕組みとはなっていない。

あとオランダも最近になって注目を集めている。オランダではオランダ第4の都市といわれているユトレヒトを皮切りに実験的導入をスタートし、今後はその範囲を拡大していく予定だ。

まだまだ検証が不十分なベーシックインカムだが、今後どのように広がりを見せるか注目してみていきたいところだ。

賛成?反対?日本の各政党の立場は・・・

さて日本でのベーシックインカム導入に話題を戻そう。

日本でこのベーシックインカム導入を進めるには日本政府がこれを推進しなければならない。そのためにはどこかの政党が先陣を切ってこれを強く推し進める必要があるだろう。

だが一体どの政党がこのベーシックインカム導入に関心を払い導入に前向きなのか。ここで各政党の立場を見ていこう。

自民党

自民党は基本的にベーシックインカムについて消極的だ。過去に週刊金曜日の出したアンケートに対しても無回答となっていた。

ある種、社会的弱者を救済するというイメージが持たれるこのベーシックインカム。経団連など財界とズブズブの自民党にとっては相容れない制度なのかもしれない。

立憲民主党

前原代表のせいで分裂を民主党が分裂を招いてしまった民主党に代わって、新たに誕生し僅かな期間で野党第一党に躍り出た立憲民主党。
まだ設立されたばかりの政党であるためベーシックインカムに対する正式なコメントはない。

旧民主党では「給付付き税額控除」という政策の導入に意欲的であったことから、自民党に比べ積極的だったといえるのではないだろうか。

公明党

自民党と同じく与党に君臨する公明党は、ベーシックインカムの意義については概ね同意するようなコメントはしているものの導入は考えていないようだ。

日本共産党

日本共産党はその政党の立場からも明らかなように、格差是正を促すベーシックインカムは検討する価値はあると考えているようだ。

日本維新の会

導入に対して前向きであるかのようなコメントはしている。
ただし橋下前代表がそうであったように、ポピュリスト的傾向が強い政党であるため大衆の支持を得るための道具と考えている節がある。

希望の党

唯一公約に「ベーシックインカム」を掲げる党ではあるが、代表で東京都知事でもある小池百合子氏も日本維新の会と同じくポピュリスト的な言動が目立つ。

社民党

日本共産党と同じく、社会保障に対する改革には前向きだ。

各党の姿勢

各党関心度に多少のばらつきはあるものの概ね積極的な党はないと言い切っても差し支えないだろう。

財源はどのように捻出するのか?支給金額を試算すると?

日本でもベーシックインカムを導入できるか。

恐らくこの問いに対して多くの人が「財源はどうするのか」という疑問に行き着くことだろう。

もし日本でベーシックインカムを導入するとなれば、実に100兆円もの財源が必要だといわれている。
(一人当たりの金額試算としては7万円くらいだといわれている。)

日本は先進国でありながら多額の債務を抱える国家だともいわれている。

そのような状況下で国民一人ひとりに対し毎月一定金額を支給するほどの財源が確保できるのか。

だがこれは案外難しいことではないといわれている。

簡単な話だが、日本政府主導で他の予算をカットすればよいだけの話である。大体どれだけ必要のない公共事業に血税が注がれていることか。

ただ単純に予算を削るといっても、既存の社会保障の枠組みはある程度維持しなければならない。

ベーシックインカムを導入したせいで、これまで受けていた社会保障の枠組みが損なわれてしまっては本末転倒である。

日本は債務国でありながら年々高まる社会保障費に悩まされている。もしベーシックインカムが前向きに検討されるようであれば、財源確保が大きな課題となることは間違いないだろう。

導入することのメリットと導入後の社会保障制度は?

日本でベーシックインカムを導入することに賛成か反対かと問われれば、恐らく誰もがメリットとデメリットについて考えるのではなかろうか。

ここでは一般的にいわれている(風説も含む)メリット・デメリットをまとめてみたいと思う。

ベーシックインカムのメリット

ベーシックインカムには数々のメリットが期待できる。それをこれからじっくりみていこう。

少子化改善効果が期待できる

少子高齢化は深刻な問題であるが、現在の平均的な所得水準では子を産み育てることは容易なことではない。
そのような意味でベーシックインカムの導入は少子化改善の一助となり得るだろう。

貧困層が減少し、格差是正につながる

非正規雇用の広がりと賃金格差、この国の社会格差は広がり続けている。
ベーシックインカムの導入を進めることが格差是正につながることはいうまでもないだろう。

犯罪が減少し治安が向上

普段私たちはあまり意識することがないが、犯罪の温床となる大きな要因となるのは貧困である。
これもほとんど知られていないが、例えば沖縄県は貧困率が全国一といわれ、青少年の非行が大きな社会問題となっている。

労働意欲が向上する

生活ギリギリ、生きるためだけに働くとなると労働意欲は当然に低下する。また現行の社会保障制度であると例えば生活保護を受けている場合、下手にアルバイトなどをすると返って収入が低くなってしまうこともあるのだ。

ベーシックインカムの場合あくまで基本的所得となるため、収入が増えたからといってなくなったり減ったりしない。
つまり人々は生きるためではなく、より豊かな生活を求めて働くことができるようになる。

ベーシックインカムのデメリット

ベーシックインカムの評価には少なからず指摘されているデメリットもある。これからベーシックインカムのデメリットについても見ていこう。

経済競争の停滞を招く

ベーシックインカムのデメリットとしてよく上がってくる主張には必ずといっていいほど経済競争を招くという主張が出てくる。

その中身とは、まず無条件に生活費を与えると働かない人が増えるというものだ。(実際には現在試算される金額で生活費をすべて賄うのは難しいのだが…。)

そして人が仕事の条件を選ぶようになり、企業側としては労務者の確保が困難となる。さらには賃上げ要求にも応じざるを得なくなりコストが上がってしまう。

これにより生産性が低下すると経済競争の停滞を招くというのだ。これがベーシックインカムの反対派のおおまかな主張といえるだろう。労働者側からするとブラック企業が減って万々歳というわけだが、企業側からすると何ともうま味がない。

財源の捻出が難しいため、他の厚生関係の予算削らざるを得なくなる

そもそも財源の捻出が難しいという意見がある。

単純に予算を削ればいいというわけではなく、これまで当然に受けていた社会保障もベーシックインカムに一本化される。つまり厚生関係の別予算を削り、ベーシックインカムに充当されることだって考えられる。

ベーシックインカムを導入したせいで、救済が必要な人が保障を受けられなくなるということも考えられるというのだ。

あなたは賛成?反対?

さて、今回の記事は「日本のベーシックインカム導入」というテーマであったが総論としてはまだまだ日本での導入は実現しにくいのが実情だ。

FXや投資とは少し離れるテーマではあったが、読者のあなたがこれから将来必要なお金を考える一つのきっかけとなったのではないだろうか。

ベーシックインカムが導入されようとされまいと、あなたが豊かに生活していく上で本当に必要なお金を考えるのはとても意義のあることに違いはあるまい。

それでは今回はニューヨーク州立大学教授で米国の億万長者研究者であるトマス・J・スタンリーの格言で締めたいと思う。

1ドルお金を使うということは、税務署に貢ぐ分、余計に稼がなければいけないということを忘れてはならない。たとえば、6万8000ドルのボートを買うには、10万ドル稼がなくてはならない。億万長者はこういう計算の仕方をする。だからあまりボートを持っている人がいないのだ。

-トマス・J・スタンリー-